読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

良いメモアプリが無い件

設計

 

まぁ、タイトルの通り

 仕事でもプライベートでもちょっとメモを取る事はあるんですが、書く先が紙であったりスマホであったりパソコンであったりして情報が散らかってしまい、とにかく気持ちが悪いです。皆さんどうされてるんでしょうか。

 

デジタルデータにしたい

  メモの実装はまず紙に書くかデジタルデータに書くかっていう点でざっくり二分できます。どちらを採るにせよ長所と短所が出てくるんですが、デジタルデータにしたときの長所としてはコピペができたり通知が効いたり他のデバイスと sync できたりっていう選択肢の広がりがあります。そういうメリットは(電源が必要だとか記述性が悪いとかいう、紙と比較したときのデメリットを差し引いても)当然欲しいので、それらを存分に引き出してくれるメモアプリを探していたんですが、いくら探してもコレというものが見つかりませんでした。

 

徒労で終わるのもシャクなので

 いくつか良さそうなアプリを紹介します。(僕は iPhone/Mac を使ってるプログラマなので、だいぶバイアスかかってます)

 

Kobito

f:id:kura-replace:20140115034137p:plain

 プログラマ向けに作られたアプリ。使ってる人も多いんじゃないかと思います。メモをマークアップ言語で書くのが特徴的です。データはローカルに保存されます。コードのシンタックスを考慮した装飾が効く上、検索も速いので、1 枚のメモが巨大になっても見やすさが落ちないのが良いです。でもメモの件数が増えると収拾がつかなくなるように思います。あと他のデバイスと sync ができないし通知とも連携できないです。一応メモアプリということになってますが、メモというよりちょっとした資料を書くためのアプリ、という感じがします。

 

Simplenote

f:id:kura-replace:20140115021702p:plain

UI は Kobito と似てるんですが、こちらはプログラマ向けではなく、ほんとに単なるメモです。「単なるメモ」を模したアプリは掃いて捨てるほどありますが、これは UI が徹底してスッキリしていて好感が持てました。あとメモごとに編集履歴をさかのぼれるのは素晴らしい。とはいえ、やっぱりこれも sync できないし通知も使えないです。 訂正: sync できるっぽいです。API も公開されてます。(@unagix さんありがとです!)

 

iOS/ Mac のカレンダーアプリ

f:id:kura-replace:20140115030940p:plain

 標準搭載されてるやつです。とりあえず iCloud で sync してくれるので iPhoneMac 間でのデータ管理は何も気にしなくて良いです。通知も使えます。メモを書くのが主たる目的のアプリではないのですが、同じく標準搭載のメモよりもよっぽどメモとして優秀な気がします。Google カレンダーも同様ですね。

 

Evernote

f:id:kura-replace:20140115034853p:plain

  恐らく最も使われてるメモアプリ。デバイスをまたいだ sync はもちろん、デバイスに応じた通知が使えます。テキスト、画像、表、音声、添付ファイル、プレゼンテーション、SNS 連携、etc... 何でもアリな感じに仕上がってます。

 

なぜどれもこれも使いにくいのか

 上に挙げたものを含めいくつか試したものの、どれを使ってもイマイチしっくり来ませんでした。しかしそれって妙な話です。だっていずれのアプリも基本的には「メモ用紙(またはカレンダー)に何かを書いてそれを後から見る」っていうオペレーションをソフトウェアで再現しているワケで、不用意に使いにくさを感じるハズは無いと踏んだのですが...。たぶんその理由は、紙のメモだと書いた後でどこかに貼ったり誰かに渡したりっていう使い方ができる一方、アプリだとそれができないからでしょうね。書いたメモをアプリの外側へ出せないという制約は無視できないほど大きなデメリットである、ということです*1。やはり「情報はあるべき場所に配置してナンボ」ですね... っていう基本原則に立ち返ったところでようやく本題。

 

「ということは、メモアプリはかなり限定的にしか使えないのか?」

 という話になるんですが、そういう結論で締めるのは恐らく拙走で、単にメモアプリがまだ紙ベースのメモのメタファーとしてしか機能しておらず、デジタルデータであるという前提が持つ潜在的な機能を発揮していないだけなんじゃないかと思います*2。というのも、前節で「情報はあるべき場所に配置してナンボ」と書きましたが、その場所っていうのは物理空間だけとは限らないからです。メモアプリは、物理空間に書き残すべきではないメモを、一括して引き受ける方向へ特化するのが良いと思います。

 

書いたメモをふさわしい場所に配置する

 メモを書き残しておくべき場所は、例えば自分が思考する世界観の中だったり、議論のコンテキストの中にたくさんあるはずです。紙にアイデアスケッチしてみたら紙のサイズによって思考が制限されたり、ホワイトボードに書いた議事録が有効活用されなかったり、という経験は誰もが持っているんじゃないでしょうか。その情報空間とでも言うべきものが作れれば、それこそがメモを書き残しておく場所になるからです。そうすると次は、その情報空間をどうやって作るかが問題になりそうですが、別に大層なものを拵える必要は無く、メモの集合そのものを以て空間の定義としてしまえば良いんじゃないかと思うんです。メモひとつひとつが情報空間の断片なんだし。

 例えば本を読んだ感想だったり、日記だったり、ふとしたアイデア、複雑な問題の整理、タスク調整、それらへの注釈や議論の経過... そういうアレコレを、メモとメモの構造的な関連づけ*3で表現したならば、次に書くであろう 1 枚のメモを置くべき場所が自ずと決まってくるんじゃないかと思います。

 

スマホとメモ

 ちょっと話を戻します。最近の猛烈なスマホの普及によって、メモを持ち歩く事が出来るようになりました。相変わらずアプリの内側から出られないメモではありますが*4、少なくともデジタルデータとしてのメモに触れられる物理的な位置が広がったと言えるでしょう。これって恐らくビッグイベントで、例えば「そろそろ◯◯の時間じゃない?」と思い出させてくれたり、「いま数年ぶりに××駅に来たけど、以前は忙しかったせいで、行ってみたかった□□に行けなかったよね。今回はどうする?」とかいう使い方ができるようになったってことですよね。思考を形成するのは日常生活だと思うのですが、デジタルデータになったメモが物理的な日常生活のキワキワのところまで接近してきてるということは、メモアプリが今の Evernote よりもう一歩進化する時期に差し掛かっているってことなんじゃないかと思います。

 

というわけで

 こういう文脈を踏まえたメモアプリって、何か無いでしょうかね。「メモアプリが進化する時期が来てる!」とか大げさな表現しつつ「オマエが知らんだけだろ」っていうのもこっ恥ずかしいので、何か知ってる人、情報ください。

*1:「書いたメモを、アプリ内のコルクボードにぺたぺた貼付けられます!」っていうアプリが世の中にはいくつかありますが、ああいうのは使いにくさに拍車をかけるような行為じゃないですかね

*2:アトムとビットの交差がどうだとかそういうぶっ飛んだ SF チックな話をしたいんじゃなくて、単に GUI の仕様として

*3:フォルダ分けやタグ付けではあまりに貧弱です。

*4:拡張現実とメモを組み合わせるような試みはいくつかありますが、そういうのが生きてくるのはウェアラブルコンピュータが普及するまでは無理がありそうなので本稿ではスルーしますね。