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リモートで仕事をして 1 ヶ月経った

生活

 半年ほど前、東京にある株式会社スケールアウトさんのところでお仕事させていただくことが決まり、嬉々として仕事していたのですが、先月末に事情があって福井に引っ越しました。で、いまはどうしてんのかっていうと、スケールアウトでの仕事を続けています。はい、福井の自宅から、リモートで作業しちょります。いやーまさか自分が在宅プログラマになる日が来ようなんて思ってもみませんでした。さて、リモートで作業をして 1 ヶ月ぐらい経ったので感じたことを書いておこうと思います。
 

1. 作業環境
 リモートで作業してます系のエントリは最近ちょこちょこ書かれていますよね。目新しいことは何も無いです。
 まず基本的に VPN で接続して作業します。何故これを基本に据えられるのかというと、仕事をするにあたって印刷物が不要だからです。今どきはこんなの普通ですが、ほんの 5 年前 10 年前までは普通ではなかったように思います。まぁ僕はいまベンチャー企業にお世話になっているわけですし印刷物に時間を取られないのは当たり前ですね。
 次にチームとの連絡ですが、これは2段構成にしてます。一段目としてチャット、それで足りない場合に二段目として音声通話・画面共有・動画による対話などをスポット的に行います。より突っ込んだ議論のため、稀に東京のオフィスに出張することも考慮してありますが、日常的にほぼ全てのコミュニケーションがこれで足りています。
 最後に作業デスク。自宅に机をひとつ用意して、そこでマシンに向かうだけです。キーボードとディスプレイがある、ごくありふれた風景です。


2. リモート環境ならではのメリット・デメリット
 誰もが想像する通りです。どうでもいいので割愛。


3. 「これからはリモートで作業するのが普通になっていくのか?」
 という旨、知人に問われたのですが「いいえ、そんなことは無い」と僕は思います。
 リモート環境で作業をするということは、オフィスに顔を見せない、同僚に気配を感じさせない、メンバーと雰囲気を共有しない、ということです。いわば、オフィスの日常からその人の動物的な存在感が削ぎ落されるわけです。それは人の統制(もしくはそれを含む経営)という領域においてはマイナスに作用する部分が確実にあります。
 とか言うと「プログラマだったらコードで会話しろよ、お互いドライな関係のほうが作業効率は良いに決まってるだろww」っていう脊髄反射をする人がいますが、目の前の作業効率だけで優劣を判断するのはアホのやる事だと思ってるので(まぁ最近は SNS のおかげかそんなこと言う人もずいぶん減った気がしますが)僕は賛同できません。よく「仕事は何をするか、ではなく誰とするか、だ」と言われますが、全くその通りだと僕は思っています。たとえそれがプログラミングという仕事であったとしても、ふと近くにいる人に話しかけたりするじゃないですか。そういう小さなやりとりが日常業務にどういう具合にインストールされているか、また、その積み重ねが企業というものにどう影響してゆくか、ということを少し想像するだけで「企業は人である」ということを考えざるを得ないと思います。
 企業が人である以上、その中では、人と人の信用に大きな重きが置かれます。リモートで仕事させようとするなら、その人に信用が無いと OK は出せません。別に僕がめちゃくちゃ信用されているっていう自慢をしているわけではなく、「あぁこいつはこういうヤツだな」とメンバーに理解してもらうことが、リモートで仕事し始めるために少なくとも必要だろうと思うのです。僕の場合は、東京で働いた半年間にちょうどそういう価値があったんだろうと認識しています。
 … というような前提を踏まえたうえで現実に目を向けると、そもそも僕がやっているようなリモート作業ってのは、オフィス側の協力が無いと実現できません。強力なバックアップがあるからこそ、ようやく仕事としてやっていられます。なので、リモートでの参加がデスクワーカーもしくはプログラマ達のスタンダードを勝ち取るとは考えていません。


4. 「リモートで仕事することを選んで正解だったか?」
 と聞かれればそれはもう全力で Yes です。但し、僕の今の生活をとりまく諸々を含めて考えるならば、という添え書きがつきます。僕の場合は、今以上に良い環境というのはそうそう無いと思っていますが、だからといって万人が望むべきものだとは思っていないです。それは前節で書いたようなことが理由の核です。しかし、全員が同じようにオフィスに出勤して、全員が同じように働き、また同じように退勤する、というようなことを強制する企業というのは、完全に時代遅れです。労使各々の事情の擦り合わせによって許容される労働形態のバリエーションは、ずいぶんと広がってきましたよね。いや、"広がってきている" という表現は誤解を生みますね…"労働者からベストな成果を引き出すためのテクニックとして労働形態のカスタマイズが一般化してきた" というべきかも。まぁとにかく、リモートでの仕事が万人にとってプラスでは無いと思う一方で、「リモートでこうやるとこういう風な仕事をすることが出来るよ」という選択肢がひとつ増えることは万人にとってプラスであるように思います。