読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

「デベロッパーが知るべき291のこと」のディスカッション

イベント

ニコニコ生放送で、こんな放送がありました。

デベロッパーが知るべき291のこと 〜開発者の明日を繋ぐディスカッション〜』

=開発者の明日を繋ぐディスカッションセッションを生中継=
 
ソフトウェアアーキテクトが知るべき97のこと
プログラマが知るべき97のこと
プロジェクト・マネジャーが知るべき97のこと
そして、我々が知るべき292番目のこと。
 
【出演】
鈴木雄介氏 (ソフトウェアアーキテクトが知るべき97のこと)
和田卓人氏 (プログラマが知るべき97のこと)
神庭弘年氏 (プロジェクト・マネジャーが知るべき97のこと)

ニコニコ生放送(アーカイブ)

 2012/03/07(水)の放送ですので、まだ見ていない方は、2012/03/14(水)までは見れると思います*1Twitter ハッシュタグは #devlove

 この番組で語られていた内容が、かなり濃くて良かったです。開発に関するお話を時間いっぱい聞くことができますので現場の開発者は是非、見て欲しいです。

 さて、番組に出演している中に神庭さんという人がいます。僕は存じ上げなかったのですが、34 年間ずっと日本 IBM でプロジェクトマネジメントをメインにやってきた方だそうです。今年 65 歳でめでたく定年を迎えられたということで、プロジェクトマネジメントの一から十までを知っている人です。
 神庭さんの発言の一つ一つが個人的にどぉんと響いたので、いくつかピックアップして紹介します。まぁでも時間がとれるなら本稿よりも動画を見ましょう。

プログラマ、プロジェクトマネージャ、アーキテクトの役割分担について
神庭「最初はプログラマもプロジェクトマネージャもアーキテクトも無かった。全てがひとまとめになっていた。それが徐々に専門性が高まって分化してカタチ作られてきた。」
鈴木「今の若い世代は学ぶべきことが多すぎる。」
和田「合理性があったからそうなってきたのだろうけど、現代の開発者がセクト主義的になってはいけないと思う」

・今の開発者の行く末について
神庭「ゼロから全部作ってたのは良い時代。昔は内部設計、外部設計、テスト、リリースの全てを体験できた。しかしもう今はそういうのが無い。どこへ行っても既存システムがあるわけだし。例えばデータベース設計の経験が無いアーキテクトはアーキテクトと言って良いのか?と思うが、実際のところもうデータベースを一から設計することなんてほとんど無い。保守ばかり。こんな時代に次の時代の IT エンジニアをどう育てれば良いのか、ということを危機感として持っている。プロマネは比較的賞味期限が長いが、旬の技術に長けた人の賞味期限は長くない。」
和田「現役で居続けるということは、年下が増えるということ。年下から学べるようになることが価値。」

・チームについて
和田「神庭さんに聞きたい。これまで色んなチームを率いてこられたと思うが、チームを作る(チームビルディングする)際に心がけている事は?」
神庭「リーダーの立場に就いたときに注意がいる。役割としてリーダーというものはあるが、リーダーシップはリーダーとは関係がない。リーダーの言ったコトに従ってくれる人がいないとリーダーは機能しない。チームメンバーの成熟具合に合わせて、どういう風にしたら部下が動いてくれるかを考えないといけない。つまりリーダーが優秀かどうかはその人ひとりの努力・才能では決められない。例えば部下に "あれをやれ"、"これをやれ" と命令して動かそうとすると、チームはガラガラと崩れてゆく。チームの状態が悪くなったとき、メンバーは嫌いなリーダーのために働きたいとは思わないだろう。"何とかっていう優秀なリーダーが陣頭指揮を執って..." な〜んていう強い縦関係のチームは、現代において成功し得ない」

・経験談
和田「神庭さんは、プロマネとして長年やってきたわけだから、色んな曲者とも仕事してきたはず。」
神庭「毎回色んな人がいる。お客さんにもいろんな人がいる。もうこればっかりは諦めるしか無い。ただ一度、こちらの部下に手を出す客がいた。そのときはさすがにキレた。その客は強いこだわりと勤勉さを兼ね備えており、気に食わないところがあるとすぐ手を出す、非常に困った客だった。だから "俺の部下に手を出したらてめぇを会社に居れなくしてやるッ!" って凄んで黙らせた。しかし、注意深く聞いていると、その客の意見には正しいこともたくさんあった。そこで、みんなの前で、彼の正しさや勤勉さについて褒め称えてあげた。そしたらそのあとは徐々にうまく事が進むようになった。プロマネの仕事は、場合によってはケンカも辞さないというつもりで臨むことでようやく分かりあえる、というような事もあるってこと。たとえ相手が客であろうとも。」

・鈴木さんから話題のフリ
鈴木「アーキテクト・プログラマ・マネージャのうちどれが大事かを敢えて上げるとするならば、どれだと思うか?これはその意見が良い悪いという議論をしたいのではなくて、なぜそう思うに至ったかという話を聞きたい。」
和田「優等生的な答えを出すなら、どれが大事とかは無い。」
神庭「メンバーそれぞれが "俺が一番大事だ" とギャーギャー言い合うチームが良いチーム。」

・世界における日本について
神庭「実際問題、インフラに投資しようと考える企業はもうほぼ無くなってきている。企業はインフラの差で勝負しようと思っていない。つまり今後は仕事が減るってこと。さらに少子高齢化で 2010 年からの 10 年間に 25% の PM が退職する。これは、既に海外に心配されているレベル。日本は外国人労働者の割合も低く、労働鎖国状態。英語の語学力でも、日本は中国・台湾・韓国に負けて 55 位という状態。国際競争力に乏しい。このままでは、明るい未来を描きにくい。プログラミングで生き残る領域はどこにあるだろうか。」
和田「客の要望を早く正確にカタチにする能力での差別化は推し進めることができるはず。何がしたいのか、何を提供するのか、そういう意識をしっかり持った上で、開発者ひとりがちゃんと個として立たないと、替えが効いてしまう。」
神庭「最初から自律する気が無い人は流されるしかない。なるようにしかなれない。」

・最後らへん
↓笑ったw
神庭「リーダーシップっていうのは言いだーしっぺ、っていうのが大切なんですね。(会場沈黙)」

*1:プレミア会員じゃない人は見れないかも