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『プログラミングの魔導書 vol.2』読んだ。

コミュニティ

えぇさて先日めでたく発売になったこの本ですが。

『プログラミングの魔導書 〜Programmers' Grimoire〜 Vol.2』

せっかく読んだので、感想を書いておこうと思います。
とはいえ内容が充実しまくってて全部書くのは辛いので、興味深かったところを章単位でピックアップすることにします。


2.Dave Abrahams へのインタビュー
 この方、有名な C++ プログラマらしいのですが、僕は知りませんでした。Boost の第一人者だそうです。インタビュアーは『本の虫』でおなじみ江添さん。
 インタビューの内容は、Boost とは何であるのか、Boost の目標とは、C++0x を利用した Boost の改良について、などなど。もちろん技術的な話も面白いのですが、それ以上にコミュニティとしての Boost を見つめる姿勢が垣間見えて面白かったです。
 Boost へ新しいライブラリが追加されるためには、一定のレビューを経る必要があるのですが、良いライブラリが充分なレビューを得られないケースもあるそうです。しかしそのライブラリを欲しているハズの、声を上げない潜在ユーザーが存在することもまた事実。Boost という枠組みを見つめている彼にしてみれば勿体無いと思う場面がしばしばあるんだろうなと想像できます。インタビューによると、プログラマ達がレビューに参加しない理由は、自らのスキルがレビューするにそぐわないと思い込んでいるからだそうです。僕もその気持は分かります。特にここ数年 Twitter でレベルの高い議論を見るようになって「あぁとてもじゃないが話に入って行けないな」と感じる事が増えました。しかし彼は、ライブラリのユーザーこそが最もレビューする資格を持っていること、レビューへの参加がスキル向上につながることなどを語っています。その文脈の中で最も印象的だったのがこの一言でした。

 Dave Abrahams『 そうだ!もっと議論や開発に参加しろ、頼むから!』

...ですよねぇw


4.D言語の設計と進化とか
 みなさんおなじみ*1 @repeatedly さんの D 言語紹介記事。正直な感想は Twitter に呟いた通り。

 僕は D 言語を少しだけ触ったことがあったので*2、おぼろげな記憶をたぐり寄せながら読みました。記事では D 言語というものがどう進化してきたのかということがつらつらと書かれています。それぞれの進化(機能追加)が何故有用なのか、それによる言語としての課題とは何か、といった具体的な説明がびっしりと敷き詰められていて非常に勉強になりました。加えて、この記事は非 D 言語ユーザーに対する D 言語の紹介として上質なコンテンツにもなっているように思います。文章のテンポが良いので、内容が濃密である一方で読者の敷居は低く、万人が読める記事だと思います。

5.The Door To Dependent Types
 @kinaba さんの Dependent Type の紹介記事... というか「型」についての記事といった方が良いかもしれない。型とは何か、型が持つ可能性、型と値の関係などについてスマートに語られています。
 僕は、プログラミング言語の型というと Java の class 的な型であったり C++ の template 的な型といったものを想像してしまうのですが、それらはあくまで型を使った静的型付け言語への部分的な具現化に過ぎないことを認識できました。型というものはそれらよりもっと柔軟なかたちで静的プログラミング言語を構成する潜在能力を備えてるんですねぇ。あと最近一部の人達*3で人気の証明についても人気の理由が感じ取れてよかったです。たった 9 ページの記事なのですが、そこかしこに参考にすべき情報へのポインタが貼ってあり、関心が深い人にとっても非常に有益な記事なのだと思います。

6.プログラミング言語Scalaの歴史とこれから
 @kmizu さんによる Scala の紹介。日本の Scala 界隈では知らぬ人は居ないんじゃなかろうかと思うのですが、本稿でもまた Scala への愛情が満ち満ちていてステキですね。
 Scala は急速に進化している言語なので、Scala の情報をぐぐると新機能の情報や新しいテクニックの紹介などがヒットすることが常なのですが、この記事では Scala の生い立ちから Scala の今までを一気に知ることができます。D 言語の記事と同じくそれぞれの進化の背景についての細かな説明があるので、こうしたバックボーンを踏まえた文章は Scala のみならずプログラミング言語一般を見つめるときの糧になるなーと思いました。さらに言語そのものの進化だけでなく、社会的な地位の遷移や Scala コミュニティのこれまで、加えて ScalaDays の参加レポートもあってボリュームのある内容になっています。
 Scala いいね!いいよ!はぁはぁ(´Д` )



11.Boostを使い倒してTwitterクライアントを作る
 @kikairoya さんによる C++ の記事、というか Boost 演舞。Boost を普通に使ってる人じゃないとそもそも意味不明な面もあるかもしれません。とはいえ、各ライブラリを使うときに留意すべきことが親切に書かれていますし、何より「崇高なライブラリである Boost」ではなく「設計の道具、プログラムの部品として便利な Boost」を体現しているという意味で非常に価値のある一稿だと思います。この記事で読み取るべきは、設計のテクニックやなぜこのライブラリを選択するのかという理由付けなどの実践的要素です。
 この記事を書いているであろう頃、Twitter で苦しんでいる彼の post が続いたのですがなるほどこれは大変だったろうなと思い返されますw












リプライわろたww

                                                                                        • -

最後に @hotwatermorning さんの post がステキだったので貼っておきます。

いじょ。

*1:D言語、つけ麺、Opera、サンダル 界隈で有名ですね!

*2:ニコニコで D 言語でオセロゲーム作って放送してました。

*3:主に名古屋あたり